個人的なことは政治的なこと、そして政治的なことは個人的なこと!


by terakoya93

漏れ続ける放射能としばらくは共に生きることになってしまった…

昨日、3月28日はアメリカ・ペンシルベニア州のスリーマイル島原発で原発事故が発生した日だったそーだ。
1979年、世界初の炉心溶融事故だった。いま3つ目が進行中。スリーマイル・チェルノブイリ・フクシマ…は歴史に並び称されることとなる。

原発の事故現場では毎日、シビアな数値が報告されているが、昨日はとうとう最中心部である炉心を抱えた圧力容器の破損の可能性を原子力安全委員会が認めた。高い放射能を帯びた水が漏れ出ており、発電所敷地内の土壌からは微量とはいえプルトニウムが検出された。

これまで長年にわたって反原発の活動家たちが訴えて来て、そして一笑に付されて来た危険性の、もうオンパレードだ。

もはや原発から白煙が上がっている映像を見ても驚かなくなってしまったことが怖いが、今どんな対策を講じていて、これから何が起こる可能性があるのか、あちこち情報収集してやっと少し見えて来た。

昨夜の原子力資料情報室の会見:CNIC NEWS 3/28

上記会見の最後の方で後藤政志さん(元原子炉格納容器設計者、工学博士)が質問に答えて分かり易く解説しているが、原発事故が収束するためには「止める」「冷やす」「閉じ込める」という3つのことが必要とのこと。

「止める」とは核反応を止めることで制御棒を入れて核反応を止める。これは地震が起きてすぐ緊急停止となった。
止まっても炉は高熱を発しているので次は「冷やす」こと。これを今やっているが、熱量が大きいので冷却は長期にわたる。どんなに早くても数ヶ月~1年。

冷やしている燃料が再臨界(=再び核反応が始まること)してしまうのを防ぐには中性子を吸収してくれるホウ酸水を使う。こうして、水とホウ酸水で長期に渡って冷やし続ける。

ホウ酸ってすごい! ゴキブリもやっつければ中性子も止める! (・・;)

冷やし続ける間も圧力容器内の高濃度放射能を「閉じ込める」必要はあるが、現在リークを起こしているので海水に、そして水蒸気のかたちで空気中に漏れ出ている状態が続いている。リークを起こしている場所も特定できないし、原子炉周辺の放射線量があまりに高くて近づけないので「漏れ」を封じ込めるのは難しい。

チェルノブイリの時のような「石棺」で完全に炉心部分を「閉じ込める」ためには、熱がこもり爆発の危険もあるため炉心の冷却が終わる必要がある。

つまり、圧力容器の破裂で内部の高濃度放射能が環境中に大量に放出されるという最悪の事態を避けるために続ける冷却期間の間ず~っと、放射能漏れを封じ込めることはほぼ出来ず、冷却作業を続ける作業員のいる現場はもちろん、周辺地域も降下物が多く危険だし、今後の圧力容器からのベント作業の必要性や、その日の風向きなど気象条件しだいで遠隔地でもホットスポット(とりわけ放射性物質の残留が多くなる地帯)が生じる可能性がある。
最初の水素爆発やベントの影響で生じたホットスポットとしては飯館村が顕著。
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東大の学生が作った空間放射線量グラフ(PDF)

5ページ目の累積放射線量グラフでは、飯館村が驚きの5000マイクロシーベルトに達している! 半径40キロ圏内にあたり、避難指示も勧告も出ていないエリアだというのに。

放射性物質は微粒子のようなもので、吸い込んだり食べたりして身体に入ると体内被曝を起こすが、いくら広い範囲に拡散しても毒性が薄くなるわけではなく、取り込むかどうかは当たり外れの確率の問題。遠ければ遠いほど確率は下がるが、いくら遠くても大当たりはあり得る。

私は先日、薔薇100本大当たりして、くじ運は使い果たしたぞ~! 
 ……非科学的なことを申してすみません。


チェルノブイリ原発事故の時も、1週間目に日本で降った雨から放射性物質が検出されている。いったん大気中に出た放射性物質は世界中を汚染するわけで、今回の事故での日本の責任は重い。

さて、こうなるとこの先は長い期間、ホットスポットに当たる可能性を気象状況や地形などから見越して対策をたてなくちゃならないが、なんと国家的予算をかけた精度の高い「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」というものがある。その名も SPEEDI スピーディ。パンフレット(文科省のHPからダウンロード可)には以下のように書かれている:
SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)ネットワークシステムは、原子力施設から大量の放射性物質が放出されたり、あるいは、そのおそれがあるという緊急時に、周辺環境における放射性物質の大気中濃度や被ばく線量などを、放出源情報、気象条件および地形データをもとに迅速に予測するシステムです。

まさに、それ今いるでしょ! でもこれが事故後ずっと公表されず各方面から非難されてやっと23日の夜になって結果発表となった。予測じゃなくて結果からの逆算だそうで、「予測システム」の意味をなしてない。(+_+)
計器故障で前提となるデータがなく、避難に役立つ計算ができなかったという。
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放射性物質 安全委、拡散試算を公表(2011年3月24日 読売新聞)

上記記事に着いている画像で飯館村をさがして欲しい。汚染は同心円では広がらないことがよく解る。

こちらはもう数日前の番組だが、原発事故と放射能問題、深く掘り下げていてお勧め:
【特別番組】あえて最悪のシナリオとその対処法を考える(1)

【特別番組】あえて最悪のシナリオとその対処法を考える(2)
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by terakoya93 | 2011-03-29 20:04 | 寺子屋 ISSUES !